面白い記事 − ヒステリーするアパート - 身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌

「暗い空に。ふるほど一杯、星がきらきらさすのを高いコンクリートの窓辺で仰ぎ見ながらソプラノで合唱しようものなら、たちまちどの窓辺も老嬢たちの吐息が起る。と、想像できるじゃないか。かくて極めてセメントの煙は憂うつな存在だった。そしてヒシと突き破られる胸中の悶えでもあろう。そこです、アパートそれ自身が、ヒステリ気味になるのだ。ここのアパートに居るある構成派の女の作家は「室はヒスてる」でな題目の小説を書き出すといっている。」 多田道夫『ダンサーとズロース』(東京:三興社、1931)

ヒステリーするアパート


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