今では考えられない60年代玩具「原子力実験キット」

テクノバーン】(2007/1/25 23:06)1950年代から60年代にかけての時代は今よりもかなり大らかだったようだ。この時代に発売されたおもちゃの中には今では考えらないようなものもごく普通に販売されていた。

そいうなかで今、考えると最も危険であり得ないおもちゃが1960年にアメリカン・ベー

シック・サイエンス・クラブ社から43ドル前後)で発売された科学学習おもちゃ「アトミック・エナジー・ラブ(原子力エネルギー実験キット)となる。

「楽しい・簡単・エキサイティング」と書かれたパッケージの中には、ガイガーカウンター、スピンサリスコープ(放射線の一種であるアルファ線の動きを観測する装置)と霧箱(粒子の飛跡を観察する装置)と2種類の低レベル放射性物質ウラニウムラジウム)が入っており、ウランやラジウムをスピンサリスコープや霧箱に入れることで放射線の動きを間近に観察することができるようになっている。

この実験キットに入っていたウラニウムはウラン原石ではなく、どうやら劣化ウランだったようだ。これは現代の判断基準から考えると危険なのか、安全なのか?

専門家によると劣化ウランに関しては飛沫化しない限り危険性はないとも述べている。

しかし、どう考えてみても現代の判断基準では劣化ウランなどの放射性物質をこども向け販売することはできないだろう。

これとほぼ同じような原子力実験キットは1950〜60年頃にかけて各社から発売されていた。この実験キット、マニアの中では伝説的なおもちゃの一つとなっており、完品の場合はネットオークションで900〜1000ドル(10〜12万円)程度で取引されているという。

これは怖いからいくらなんでもほしくないね。

いや、実はほんのちょっとだけほしいけどさ。

Technobahn - 写真: 今では考えられない60年代玩具「原子力実験キット」